村長就任あいさつ

村長就任にあたり、皆様に一言ごあいさつを申しあげます。
先の村長選挙において皆様のご支援を賜り、引き続き村長として二期目を勤めさせていただくこととなりました。
就任してからの四年間、復興再生に取り組んでまいりましたが、改めて責任の重大さを痛感するとともに、今後の村政運営に、より一層身の引き締まる思いです。
皆様からいただきました信頼と期待に応えるため、これからの四年間、私が取り組む基本的な姿勢について、大きく五つの項目を柱として展開していきます。
村民の安全・安心の確保と生活環境の整備
避難指示が一部解除され、買い物環境や住環境の整備に努めてきました。今後も商店等の維持・確保や再開・新設の支援、住宅の確保、内科・歯科診療所などの医療提供体制の維持・確保に継続的に取り組みます。
また、広域幹線バスや、交通支援バスなど、生活交通の確保・維持に努めます。
防災面では、地域防災計画の全面見直し、防災行政無線のデジタル化更新工事を実施しており、震災後に整備した防災倉庫の利活用を図り、住民の生命、身体及び財産の災害からの保護に努めます。
新型コロナウイルス感染症の感染防止対策については、ガイドラインに基づくイベントの再開や、村独自の支援策を実施しているところです。今後も、村民の皆様の生命と健康・安全を守ることを第一に感染拡大の防止、村内経済と生活への影響を最小限にとどめるよう対策を講じます。
村の復興・再生を支える道路の整備
産業団地整備をはじめとする企業活動が促進されてきており、大型車の通行などのため、これまで以上に道路の重要性が増しています。住民帰還の加速や産業再生を支える主要道である、浪江三春線等の速やかな改良・整備を要望します。
生業の再生と働く場の確保
住民の帰還や村の復興推進のためには、主要産業である農林畜産業・商工業の意欲ある担い手や事業者に対する強力な支援が不可欠です。
事業者等が安定的に事業を運営・再開できるために必要な支援を継続的に行うとともに、産業再生と雇用確保の観点から、村内への企業誘致を推進します。
移住・定住、交流人口の拡大
村にとって、「人」は大きな財産です。一人でも多くの村民に帰還していただけるよう環境整備に取り組むとともに、新たな住民の移住・定住を促すための子育て支援や、教育環境の更なる充実、村の魅力向上につながる情報発信など、交流人口の拡大と地域の活性化に取り組みます。
一日も早い帰還困難区域全域の解除
帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域は令和四年春の解除を目指しています。皆様が安心して帰還できるよう、フォローアップ除染及びモニタリングの継続を国に求め、不安の低減に取り組みます。また、営農再開への支援や帰還のための施設整備を進めます。
帰還困難区域全ての一日も早い解除に向け、野行地区の住民の「ふる里」に対する想いをしっかりと受け止め、復興・再生に責任を持って取り組むよう国に要請します。
政府においては、復興庁を十年間延長すること、東日本大震災復興特別会計を継続することを決定しましたが、復興には多くの課題が残されており、自治体の自立と責任が強く求められることになります。村が持続的発展をするためにも、先ほど申し上げました五つの柱は、どれもが重要な施策であり、その実現に向け、国及び県の支援をいただきながら、「新たな村づくり」に挑戦していきます。
この厳しい現状を乗り越えていく勇気を村民は持っていると私は信じております。
村内に住まわれている方、やむを得ず村外に住まわれている方双方の思いをしっかりと受け止め対応します。
村長として四年間、先頭に立って全力で取り組んで参りますので、重ねて皆様のご支援とご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げ、就任のご挨拶とさせていただきます。
令和2年11月12日
葛尾村長 篠木 弘