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村長あいさつ(就任2年にあたって)

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年11月12日更新

村長あいさつ(就任2年にあたって)

  村長

 村長就任2年の節目にあたり、村民の皆さまにごあいさつを申し上げます。

 一昨年11月に村長の職を拝命し、村の復興再生にあたっては、次の六項目を重点事項として全力で取り組んでまいりました。東日本大震災及び原発事故から7年8か月が経過し、また、一昨年6月に帰還困難区域を除く避難指示が解除されてから2年5か月となりました。今年5月には帰還困難区域である野行行政区の葛尾村特定復興再生拠点区域復興再生計画が国に認定されたことから、ようやく村全体での復興のスタートラインに立てたものと考えております。就任2年の節目にあたり、復興の主な進捗状況を申し上げたいと存じます。

  1. 「住民の安全安心の確保」について
     村に戻られた方が安心して暮らせるよう、防犯防災対策として「村内見守りパトロール事業」により、日夜村内の警戒に当たっております。
     避難を継続している村民の皆さんには、主に高齢者層を対象として配布したタブレット端末による健康管理と併せた緊急通報事業を継続し、見守りを行っております。
     とりわけ、買い物環境の再生については、昨年4月にマルイチ商店、昨年7月に石井食堂、ヤマザキYショップヤマサが村内での営業を再開されました。 そのお陰で周辺地域からも人が集まり、村に活気が出てきていると感じています。
     また、本年4月に県道50号、8月に国道399号が二輪車を除き自由通行化されたことにより、往来する車の台数も増え、少しずつ居住人口も増加する中で、防災備蓄倉庫や浪江消防署葛尾出張所も整備され、徐々により安心な環境が作られてきております。

  2. 「医療福祉の充実」について
     内科診療については、一般社団法人田村医師会のご支援の下、村立診療所として昨年11月に村内での診療を再開しました。一昨年7月から再開している歯科診療とともに、震災前の医療提供体制を取り戻すことができ、診療を継続していただいております。
     また、昨年8月に本村出身等の医師3名に委嘱した葛尾村医療提供体制アドバイザー、今年4月に医師1名に委嘱した葛尾村健康対策アドバイザーにもお世話になりながら、村民の健康づくりとより良い医療提供体制の構築に努めてまいります。
     さらに、村社会福祉協議会と連携して「生きがいデイサービス事業」を実施し、帰村した村民の健康維持・増進、介護予防対策に取り組んでおります。特に、今年度は、村介護保険対策検討チームを設けたほか、生活支援等体制整備事業として村社会福祉協議会が中心となり、「地域支え合いのつどい」を定期的に開催し、村民同士のつながり、支え合いの大切さを学んでおります。

  3. 「教育と絆づくり」について
     幼稚園、小中学校については、保護者及び関係者の皆様のご理解とご協力により今年4月から村内で再開できました。村内で子どもたちが、明るく、元気に生活し、たくましく成長してくれていることは、私どもにとって何より嬉しいことであります。今後とも少人数ならではの魅力ある教育を指針として、放課後子ども教室や村営学習塾、ALTによる英語授業、ICTを活用した授業等を継続してまいります。
     また、村民が集う春の村民運動会、夏の盆踊りや秋のかつらお感謝祭が復活し、震災前からのお祭りや地域の活動が続けられるよう、「ひろがるわ」活動を推進するとともに、公民館事業や各種催しへの参加を呼び掛け、村民相互の絆の維持に力を入れております。

  4. 「産業の再生と働く場の確保」について
     本村の基幹産業である農畜産業の再生については、県、JA、大学等との連携を図りながら、意欲ある農家を支援し、再生に全力を傾注します。優良農地に山積みされているフレコンバックの早期搬出を引き続き国に強く要請し、イメージ回復と営農再開しやすい環境づくりを図ってまいります。
     特に、昨年度から村独自に繁殖素牛の導入やパイプハウス等の設置費用を助成するなど、より身近なところから営農再開してもらえる支援制度を設けております。
     また、農業復興の拠点の一つである農業用倉庫や胡蝶蘭栽培施設が完成して供用が開始され、既存の商工業者の村内での再開を支援しながら、更に働く場の確保に向けては、愛知県のニット会社に村内工場を設けていただき、加えて産業団地の整備にも取り組んでおります。

  5. 「人口対策」について
     人口対策は重要な課題であり、一人でも多くの村民に帰村していただけるよう、仮設住宅などからの引越費用を助成するとともに、子育て支援など若者の定住化対策に力を入れ、昨年度から村独自に「みらい子ども助成金」として村内で生活する子どもたちへ一人あたり月2万円を支給しております。
     特に、今年度から「生まれてくれてありがとう」の思いを込め、地域みんなで新生児の誕生を祝い、自治体が木製の椅子を贈るプロジェクトへ参加し、7人の子ども達に椅子を贈呈しました。
     また、包括連携協定を締結している大学との連携に力を入れ、福島大学うつくしま未来センター、日本大学工学部、郡山女子大学や東北大学大学院農学研究センターなどの多くの教員や学生の皆さんが本村を訪れ、様々な協力をしてくれております。
     さらに、昨年度から始まった、村の高低差のある地形を最大限に生かした自転車ロードレース「ツール・ド・かつらお」を継続的に開催し、昨年7月からは「せせらぎ荘」の宿泊も再開しており、さらなる交流人口の拡大と地域の活性化を図ってまいります。

  6. 「帰還困難区域の対応」について
     帰還困難区域の取扱いについては、改正された福島復興再生特別措置法や基本方針に基づき、認定された区域で除染・家屋解体を行うこととされたことから、野行行政区の皆さんの意向を十分に踏まえ、葛尾村特定復興再生拠点区域復興再生計画を策定し、今年5月に国の認定を受けました。ようやく今月20日から除染が開始されることになっております。引き続き、定期的に開催される推進会議等において、国・県等の関係機関と協議しながら、住民の皆さんの意向に添い、速やかに除染や家屋解体等が進むよう取り組んでまいります。

 このほかにも、一般社団法人葛尾むらづくり公社の設立、葛尾村復興交流館あぜりあのオープン、葛尾村空き家・空き地バンクの設置、郷土文化保存伝習館のリニューアルも行いました。フェイスブックなどのSNSを通じた若い視点での村の情報発信にも継続して取り組んでおります。
 また、中山間地域での再生可能エネルギーの導入を推進するなど、新しい取組にも果敢に挑戦しているところです。

 このように、村民の皆さんの御努力と御協力のお陰さまで、少しずつではありますが、復興への道のりを一歩一歩着実に歩む中で、賑わいや明るさが目に見える形になってきております。しかし、本格復興に向けてはこれからが正念場であり、まだまだ課題は山積しております。
 今後とも国や県を始めとする関係の皆様、復興にご理解をいただく国民の皆様方のお力添えに感謝しながら、絆を大切にし、四季の美しい「ふるさとかつらお」の再生、村の新たな創造のために、諸課題に一つ一つ誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。議会及び村民の皆様、葛尾村を応援してくださる皆々様には、今後とも、より一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げ、就任2年の節目におけるご報告といたします。

     平成30年11月12日

                                                   葛尾村長  篠木 弘