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避難指示の一部解除から10年を迎え(葛尾村長メッセージ)

更新日:2026年6月12日更新 印刷ページ表示

避難指示の一部解除から10年を迎え

​平成28年6月12日。葛尾村の居住制限区域および避難指示解除準備区域の避難指示が解除され、村に再び人の営みが戻り始めてから、今日でちょうど10年の節目を迎えました。

この10年という歳月を振り返るとき、私の胸に込み上げてくるのは、深い感謝の念と、幾多の困難を乗り越えてきた皆様の力強さです。

東日本大震災と原子力災害によって全村避難を余儀なくされ、すべてが止まってしまったかのように見えたあの日から、私たちは本当に長い、険しい道のりを歩んできました。

村を離れざるを得なかった苦難の中で、それでも「葛尾村に帰りたい」「もう一度、村を再建したい」と立ち上がってくださった村民の皆様。そして、先が見えない深い闇の中にいた私たちに寄り添い、温かい手を差し伸べてくださった全国の団体、企業、ボランティアの皆様。皆様の支えがなければ、今日の葛尾村は決してあり得ませんでした。心より厚く、深く御礼申し上げます。

避難指示が解除されたばかりの頃、静まり返った村を前に、私たちは不安を抱えながらも復興の鍬を下ろしました。荒れ果てた農地を懸命に耕し直し、再び水が張られた田んぼに青々とした苗が並んだ時の感動は、今でも忘れられません。農業や畜産をはじめ、それぞれの生業を一つひとつ再建し、汗を流して新しい事業にも果敢に挑戦する皆様の姿は、村に希望の光を灯し続けてくれました。

そしてこの10年で、村には素晴らしい変化が起きました。新しい建物や道ができましたが、それよりも、葛尾村の豊かな自然や、人々の温かさに魅力を感じ、新たにこの村へ移り住んでくださった多くの方々との出会いです。

昔からの伝統を愛し守り抜いてきた村民と、新しい風を吹き込んでくれる移住者の皆様。お互いが手を取り合い、お祭りや日々の暮らしの中で笑顔が交差する。そんな新しく、力強く、温かいコミュニティが、この村に確かに育まれています。子ども達をはじめ村に響く笑い声を聞くたびに、私たちが取り戻したかったのはこの景色だったのだと、胸が熱くなります。

しかし、村の復興はまだまだ道半ばです。
村内には、今もなお帰還困難区域が残されています。故郷の我が家に戻りたくても戻れない、先祖代々守ってきた土地に立ち入ることができない、そのやるせない思いを抱え続けている方々がいらっしゃることを、私たちは一日たりとも忘れたことはありません。葛尾村の真の復興は、すべての避難指示が解除され、皆様が故郷への思いを遂げられるその日まで終わりません。国や関係機関と強く連携し、残された区域の解除とさらなる復興に向けて、これからも全身全霊で取り組んでまいる覚悟です。

大きなマイナスからのスタートだったこの10年。私たちは共に泣き、共に汗を流し、そして再び共に笑い合える村を創り上げてきました。
これからも、この何にも代えがたい「結の力」を大切にしながら、村民の皆様、そして葛尾村を応援してくださるすべての皆様とともに、未来の子供たちに誇れる新しい「結のむら」を築くための力強い槌音を響かせ続けます。

これまで多大なるご支援を頂戴しました皆様に、改めまして深く深く感謝を申し上げますとともに、これからの未来に向けた一層のお力添えを心よりお願い申し上げます。

 令和8年6月12日

葛尾村長 篠 木 弘 

 


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